8月14日(火)~8月20日(月)
一週間の住み込みのバイトに行っていた。海の近くのホテルに住み込んで、海岸の掃除をするといったバイト。ホテルに着き、説明を聞いているときに僕のポケットの中でアプリが暴れだして爆音が鳴ってしまったので携帯は没収されてしまっていた。勤務は毎日23時から朝の5時まで。お昼は普通に海で遊ぶなりゴロゴロするなりしていい。だから一緒に働く人たちはサーファーの人が多い。サーファーの野神さんは初日に気さくに話しかけてくれて、サーファーあるあるをいっぱい教えれくれた。「海で死にたい、ボードを重たく感じる日は良いことない、海で死にたいがまだ死にたくはない」などだ。野神さんは1日目の勤務が終わった後トんでしまったがいい人だった。勤務中、夜中の3時くらいだったろうか、少しみんなとは離れた場所でゴミを拾っていると、岩場から声がしてきた。完全にお化けだと思った僕は無視を決め込んでいたが「お化けじゃないです!」と強く言われたので近づいて見ることにした。そこには白い水着を身に纏った可愛らしい女性がいた。「すいません!ウニをとっていたら岩に足が挟まってしまいました!岩をどけてください!」とのこと。おっぱいだけ触って逃げようという気持ちも芽生えたが、助けてあげようという気持ちの方が強く芽生えた。岩をどけてあげると「ありがとうございます!ウニ食べますか?」と言われたので「はいウニ好きです」と言うと女性は手にもっていたウニを割ってくれたが、ウニっぽいゴミの塊だったので何も出てこなかった。女性は悲しい顔をしながら「ハズレか…」と言いトボトボと帰っていった。次の日の昼、海を散歩しているとウニの女性を発見した。彼女も僕に気付き、近寄ってきた。「昨晩の岩とり君!おっす!昨晩はありがとね!」昨晩(さくばん)としっかり言ってくる事は気になったが、昼に見る彼女は夜に見た時よりも少し劣って見えた。明るいと劣ってしまうタイプ。挨拶もそこそこにしその場で別れた。それから勤務最終日までその女性とは何度か顔を合わせたが会話が弾むことはなかった。一番盛り上がったのが「今日ちょっと涼しい」というやつだった。恋愛は難しい。
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