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陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

「よし、行くぞ霧子!」 そう言いながら、進ノ介と霧子は特状課を飛び出して行った。 …… 「結局、なんの手がかりもなし、か…」 「現場百編です!明日もう一回捜索してみましょう!」 「あぁ! ………ん?」 二人が通りがかったがらんとした通りの街灯の下に、少年が立っていた。 見るからに寒そうな格好をし、手にはカゴを持っている。 「まるで、『マッチ売りの少女』みたいな格好だな…」 「とりあえず、子供がこんな夜に出歩いているのは危ないので、話を聞き…」 ズンッ! 「っ!? どんより!?ロイミュードか!」 「っ!? そのようですね…」 「!? 進ノ介!止せ!」 「なんでだよベルトさん!?」 「もう遅いよ、クリム」 瞬間、二人の両足から黒い球体が出現した。 それと同時に二人は膝をついた。 「なっ!?足に、力が…っ!?」 「ど…どうして…っ!?」 「やはりお前か!」 「そうだよ、クリム。 そんな無様な姿になっちゃって、笑いものだね!あははははははは!!」 高笑いしながら、少年は黒い球体を手で弄ぶ。

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ロイミュ幹部ナンバー037、レザギのストーリー
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  • 陰呉 薔葉(イングレ シキハ)
    陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

    「っあ〜…今日も残業で帰んの遅くなったな…」
    俺は羽渕 陽介(ハブチ ヨウスケ)。
    二十代の会社員。
    今日も残業して、その帰りに一杯やってくるつもりだ。
    居酒屋で最近流行ってる都市伝説の話を聞いた。
    「街灯の下に立っている少年がくれるドリンクを飲むと、とんでもなくやる気が出る」
    という都市伝説だ。
    馬鹿らしい。そんなドリンクあったら俺が欲しいよ。

  • 陰呉 薔葉(イングレ シキハ)
    陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

    「〜♪」
    ほろ酔い機嫌で帰り道を歩いていたところ、街灯の下に男の子が立ってる。ボロボロのフードとマントみたいな服を着て、手にはカゴを持ってる。
    マッチ売りの少女みたいな格好してるなぁ。
    そんな事を思いながら立ち止まってその子を見ていた。
    いつまでたってもずっと立ったままだったから、流石に寒いだろうとつい声をかけてしまった。
    「ねえ君、寒くない?大丈夫?」
    俺の声を聞いて顔を上げた男の子は、
    「ありがとうございます。大丈夫です。
    あなたは優しい人なんですね!お礼にこれ、どうぞ。どうせ売れませんし。」
    そう笑って大きめのビンを渡してきた。
    俺がビンの表示を読んでる隙に、男の子は姿を消した。
    まあ、貰っといて損はなさそうだし、いいか。

  • 陰呉 薔葉(イングレ シキハ)
    陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

    翌日、なんとなくそのビンの中身を飲んでから出かけた。
    デスクについた瞬間ものすごくやる気が起きてきて、普段より沢山の仕事を片付けられた。

    一ヶ月、そのビンの中身を飲みつづけても減らなかった。
    だけど不意にそのビンはどこかに消えちゃって、

    その時から、俺は。

    無気力に襲われたんだ。

  • 陰呉 薔葉(イングレ シキハ)
    陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

    特状課。
    追田源八郎がデコトラを弄りながら不意に話し始めた。
    「最近、妙な都市伝説が流行ってるよな…」
    「都市伝説?」
    「何それ?」
    泊進ノ介と沢上りんなが聞き返すと、
    「街灯の下に男の子が立ってて、その子見るからに寒そうな格好してるんだってよ。で、その男の子に渡されたドリンクを飲んだらものすごくやる気が湧いてくるらしい。」
    「そんなうまい話、あるわけないじゃない。」
    りんなはこう一計すると再びパソコンに向かい始めた。
    「あるんだったら欲しいけどな、そのドリンク…」
    苦笑しながらデスクに向かう進ノ介も、この時は知らなかった。
    この都市伝説の奥に、ロイミュードが潜んでいるなど…

  • 陰呉 薔葉(イングレ シキハ)
    陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

    バタバタバタバタ!バンッ!
    「泊さん!事件です!」
    そう言いながら駆け込んできたのは詩島霧子。
    「事件?何があったんだ」
    「最近、言いようのない無気力に襲われて入院する人が後を絶たないのは泊さんも知ってますよね?
    その入院した人の部屋を調べている時に、どんよりが起こったんです。
    部屋のどこかしらに必ず、このような形のビンが置いてあるそうなんです。
    どんよりが起きている以上、ロイミュードが関わっているのはまずまちがいないですね。」

  • 陰呉 薔葉(イングレ シキハ)
    陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

    「よし、行くぞ霧子!」
    そう言いながら、進ノ介と霧子は特状課を飛び出して行った。

    ……

    「結局、なんの手がかりもなし、か…」
    「現場百編です!明日もう一回捜索してみましょう!」
    「あぁ!

    ………ん?」

    二人が通りがかったがらんとした通りの街灯の下に、少年が立っていた。
    見るからに寒そうな格好をし、手にはカゴを持っている。
    「まるで、『マッチ売りの少女』みたいな格好だな…」
    「とりあえず、子供がこんな夜に出歩いているのは危ないので、話を聞き…」

    ズンッ!

    「っ!?
    どんより!?ロイミュードか!」
    「っ!?
    そのようですね…」
    「!?
    進ノ介!止せ!」
    「なんでだよベルトさん!?」
    「もう遅いよ、クリム」
    瞬間、二人の両足から黒い球体が出現した。
    それと同時に二人は膝をついた。
    「なっ!?足に、力が…っ!?」
    「ど…どうして…っ!?」
    「やはりお前か!」
    「そうだよ、クリム。
    そんな無様な姿になっちゃって、笑いものだね!あははははははは!!」
    高笑いしながら、少年は黒い球体を手で弄ぶ。

  • 陰呉 薔葉(イングレ シキハ)
    陰呉 薔葉(イングレ シキハ)

    「僕の名前はレザギ。ナンバー037。その程度の力でグローバルフリーズを止めようなんて、よく決心できた物だね、仮面ライダー。」
    そう言って、クックックという壊れかけた機械のような笑い声を残し、レザギと名乗ったロイミュードは消えた。
    残された黒い球体は、しばし空中を舞った後二人の足に触れて消えた。
    それと同時に二人の足には力が戻った。
    「っ…何だったんだ、あいつ…」

    ププー!

    「!?
    アメイジングサーカス、どうしたんですか?」

    パラリラパラリラ!

    アメイジングサーカスがクラクションを鳴らしながら空中に投影したのは、レザギの顔だった。
    フードをかぶっていて二人にはよく見えなかったものの、アメイジングサーカスが機転を利かせて撮影していたのだった。