ジョージのトーク
トーク情報ジョージ 鈴江信彦鈴江信彦 [新宿スワン]第7巻 和久井 健 著 講談社
第7巻では登場人物の言葉のやり取りに痺れました。
発せられた言葉のどこまでが本音なのか?どこまでが嘘なのか、罠なのか?言葉と言葉とが交錯する緊迫感溢れる場面の連続でした。
その中で特に心を動かされた言葉は、64話で関が森長にかけた言葉「やめとけ 森長」です。
打算で動いていない、ただただ自分を救ってくれた田無のために死ぬ気で突っ込んで来た森長に対して関は「やめとけ 森長」と言葉をかけます。
「オメーはよくがんばったよ もういいだろ」と言葉を続けます。その言葉に森長は全身の力が抜けてしまい、その場に崩れ落ちます。
関の人を見抜く洞察力の凄さと共に人に対する関の優しい心が滲み出ている感動的な場面でした。
このような関の言葉に対して荒興星の逃げ場が無いまでに追い詰めて来る直裁的な言葉の数々に絶望感すら感じ、AV業界の闇深さを改めて思い知らされました。
荒が発した、「ボクらの商売の根本は"非情"だ」という言葉の恐ろしさ。"ボク"ではなく"ボクら"という言葉が、もうこの商売から足抜け出来ない現実を抉るように突きつけて来ます。
繰り返しになりますが、第7巻では登場人物の言葉のやり取りに痺れました。
言葉は自分の身を守る鎧でもあり、相手を抉る刃物でもある。いや、それだけでなく自分が発した言葉が自分自身を危険に晒す凶器にすらなり得ることを思い知らされた第7巻でした。- ジョージ
ジョージ 土曜日の会の幹事として、友達から感謝のメッセージを貰い続けている。
その瞬間はとても嬉しい。
行ってくれ過ぎなぐらい言って貰える。
けれど、、、
今日から始まった現実、2度目の成人式の様な祭りのあとからか、
軽い鬱状態になっている。
https://youtu.be/WxsTiStuOl4?si=-xJNCcmMUbS4M94t ジョージ 鈴江信彦鈴江信彦 [新宿スワン]第8巻 和久井 健 著 講談社
第8巻で渋谷AV編はクライマックスを迎えます。
カエデとアオイの物語も一つの区切りを迎えました。
親が遺した家と1億の借金。カエデは妹のアオイが帰ることが出来る家を残すために1億の借金を相続し、身体を売ってでも返済して来ました。そしてタツヒコと出会うことでこれからはAVに出演して借金を返済していく決意を固めます。
"カエデは親の借金返済のためにAVに出演する。タツヒコはスカウトマンとしてカエデにAVのプロダクションを紹介する"
この筋書きだけを読むと、とんでもない話のような印象を受ける人も多いと思います。
『親の借金をどうして子供が背負わなきゃいけないんだ?』
『借金を返すにしても、もっとマトモな仕事があるだろう?AV出演をするというカエデの発想が間違っている!』
『なんだかんだ言ったところでタツヒコは女性を売って儲けているだけの人間だろう?』
等々の声が聞こえて来そうです。
他人からすればカエデ、タツヒコの考え・行動は理解し難いものかも知れません。
しかし、当事者はカエデ、タツヒコです。
カエデ、タツヒコが腹を括って生死を賭けて現実的な選択をした結果です。それに対して他人があれこれ批判じみたことを言うのは間違っていると僕は思います。
カエデもタツヒコもこの決断に晴れやかな表情を浮かべていました。僕はそこに僅かながらの救いを感じました。
第8巻では紋舞会の天野、美竹組の土屋、灰沢の思惑がより露わになって来ます。これから更に剥き出しになって来るであろう彼らの思惑を知ることが怖くなって来ましたが、僕も最後まで読むと決めた以上、この[新宿スワン]の行く末をしっかりと見届けたいと思います。- ジョージ
ジョージ ↑カエデとアオイの安っぽい姉妹物語はこの時代、まだ生きていたと思っています。
AVプロダクションとヤクザの関係。
そこに存在する暗黙のルール。
和久井先生がスカウト出身でなければ、こごで丁寧に描けないですよね。
渋谷スカウト編は街の描写も見ていて楽しいですよね。
道玄坂、明治通り、丸山町、あのホテル、あのヤクザマンション、全てが実在する場所です。
SNSがない時代、若い女の子が大金を稼ぐには仕事は限られていた。
渋谷スカウト編は20年前の東京を描いていますが、痛々しくも生き生きしていた、彼らや彼女たちは今どうやって生きているのか。
真虎の企みの先には何があるのか。
葉山はどこまでクズなのか。
この先もお楽しみ下さい。